「久住(くじゅう)蒸溜所」は、大分県竹田市、阿蘇くじゅう国立公園の一角・久住高原に建つ、大分県初のシングルモルトウイスキー蒸溜所です。洋酒専門店を営む代表が「自分の手でウイスキーをつくりたい」という思いから2021年に設立。秩父蒸溜所やマルス津貫での学びを土台に、スペイサイドの流儀を追う本格的なものづくりで注目を集めています。この記事では、蒸溜所の物語と風土、代表銘柄、ボトラーズ事情までを整理します。

久住蒸溜所とは|大分県初、久住高原のシングルモルト

久住蒸溜所は2021年に蒸留を開始した、大分県初・県唯一のシングルモルトウイスキー蒸溜所です。標高の高い久住高原に位置し、阿蘇くじゅう国立公園の雄大な自然に囲まれています。代表を務めるのは、洋酒専門店「津崎商店」を営む宇戸田祥自(うとだ しょうじ)氏。29歳で家業に入り、「自分の手でウイスキーをつくりたい」という強い思いから蒸溜所を立ち上げました。

設立にあたり、宇戸田氏はベンチャーウイスキー(秩父蒸溜所)の肥土伊知郎氏に教えを受け、マルス津貫での研修も経てウイスキー製造免許を取得しています。日本のクラフトの先達に学んだ確かな土台の上に、久住のものづくりは築かれています。まず知っておきたいのが、その名を冠したシングルモルトです。

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ものづくりの哲学|秩父に学び、スペイサイドを目指す

久住の設備は本格的です。店舗の敷地内の倉庫を改装し、フォーサイス製のストレート型スチル2基を導入。発酵槽には木桶を5基備えるなど、秩父蒸溜所の設備を参考にしつつ、スコッチの流儀に忠実な造りを追求しています。理想に掲げるのは、淡く華やかなスペイサイドモルト。派手さより、繊細で上品な酒質を志向しています。

原料には本場イギリス産のモルトを主に用いつつ、大分県産の大麦も一部使用。仕込み水には久住高原から湧き出る良質な軟水を取り入れ、土地の個性も取り込んでいます。伝統への敬意と地元へのこだわりを両立させる姿勢は、九州の他の実力派、マルス津貫蒸溜所の完全ガイドとも通じるものがあります。

土地の風土|阿蘇くじゅうの高原と、良質な軟水

久住蒸溜所が建つ久住高原は、阿蘇くじゅう国立公園に抱かれた標高の高い高原地帯です。清らかな湧水と、高原ならではの寒暖差に恵まれ、ウイスキーの熟成に適した環境が整っています。雄大な自然のなかで、原酒は落ち着いた熟成をたどります。

久住高原から湧き出る軟水は、繊細でクリーンな酒質を支える大切な要素です。理想とするスペイサイドスタイルの、淡く華やかな味わいを実現するうえで、この水の存在は欠かせません。土地の恵みを丁寧に映し込む——それが久住のものづくりです。

銘柄 タイプ 特徴の方向性 入手性
シングルモルト久住 THE FIRST シングルモルト スペイサイド志向・淡く華やか 限定
KUJU NEW BORN ニューボーン 熟成前の原酒・成長を追える 数量限定
Green Dram(ブレンデッドモルト) ブレンデッドモルト 海外産モルトとのブレンド 限定
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2022年にニューボーン、2025年には「Green Dram」をブレンデッドモルトとしてリニューアル発売し、「シングルモルト久住 THE FIRST」も発表されました。生産量が限られるため、入手時は公式・正規取扱店の情報を確認してください。当サイトは試飲に基づく味の断定は行いません。

蒸溜所見学|阿蘇くじゅうの雄大な自然とともに

久住蒸溜所は阿蘇くじゅう国立公園に抱かれた久住高原にあり、雄大な自然を満喫できるロケーションが魅力です。母体である洋酒専門店「津崎商店」の敷地内にあるため、ウイスキー好きにとっては聖地のような場所。高原ドライブや温泉、九州の観光とあわせて訪れる人も少なくありません。

見学や試飲の可否・予約要否は時期によって変わるため、訪問前には必ず公式サイトで最新情報を確認してください。先達に学びスペイサイドを追う若き蒸溜所の現場を、ぜひ現地で感じてみてください。日本のクラフトの潮流は岡山蒸溜所の完全ガイドとあわせて読むと立体的に見えてきます。

ボトラーズ視点で見る久住|原酒はほぼ公式(OB)で流通する

ボトラーズ(独立瓶詰業者)の視点で見ると、久住の原酒は基本的に自社の公式ボトリング(OB)として流通し、海外ボトラーズが単独で瓶詰めした例はごく限られます。若く生産量も限られるため、リリースは数量限定中心です。したがって久住を楽しむ王道は、公式のシングルモルトやニューボーンを追うことにあります。日本の蒸溜所とボトラーズの関係を深く知りたい方は、厚岸のボトラーズ事情の記事もあわせてどうぞ。

Q: 久住蒸溜所はどんな蒸溜所ですか?

A: 大分県竹田市の久住高原にある、大分県初・県唯一のシングルモルトウイスキー蒸溜所です。2021年に蒸留を開始しました。洋酒専門店を営む宇戸田祥自氏が設立し、秩父蒸溜所の肥土伊知郎氏に学び、マルス津貫での研修も経て免許を取得した本格派です。

Q: 久住はどんな味わいを目指していますか?

A: 淡く華やかなスペイサイドモルトを理想に掲げています。フォーサイス製のスチルや木桶発酵槽など、秩父蒸溜所を参考にしたスコッチ流儀の設備で、繊細で上品な酒質を追求しています。ただし味わいはリリースごとに異なり、当サイトは試飲に基づく断定は行いません。

Q: 久住のウイスキーにはどんな種類がありますか?

A: 熟成前の原酒「KUJU NEW BORN」、海外産モルトとブレンドした「Green Dram」(ブレンデッドモルト)、そして「シングルモルト久住 THE FIRST」などがあります。若い蒸溜所のため数量限定が中心で、入手時は公式・正規取扱店の情報を確認してください。

Q: 久住のボトラーズ版(独立瓶詰)はありますか?

A: ほとんど流通していません。久住の原酒は自社の公式ボトリングが中心で、海外ボトラーズが単独で瓶詰めした例は非常に限られます。入手を狙うなら、公式のシングルモルトやニューボーンの限定リリースを追うのが現実的です。