茨城県水戸市の明利酒類が、高藏蒸留所として初めてとなるジャパニーズ・シングルモルト「高藏 the First」を2026年10月16日に発売する。約60年ぶりのウイスキー復活を象徴する一本で、通常のスタンダードタイプ(アルコール分48%・希望小売価格12,100円・5,800本)と、加水しないカスクストレングスタイプ(同61%・16,500円・500本)の2種類が、いずれも完全数量限定で登場する。
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明利酒類のウイスキー造りは1952年に始まったが、約60年前の工場火災で製造免許を返納し、長く途絶えていた。同社は2022年9月にウイスキー製造免許を再取得し、梅酒蔵の技術を土台にした小規模なクラフト蒸留所として高藏蒸留所を再始動させた。「高藏 the First」は、その再開後に水戸で発酵・蒸留・熟成した原酒だけで構成される、正真正銘の第一号ボトルにあたる。
「百年梅酒」の樽が生む果実味
ブランドの個性を担うのが、同社を代表する「百年梅酒」を貯蔵していたプラムワインカスクだ。この樽をメインの構成原酒に据え、バーボンカスク、ピノ・デ・シャラント(フランスの酒精強化ワイン)カスクで熟成した原酒をヴァッティングしている。梅酒由来の華やかな果実味を核に、バニラを思わせる甘みと厚みのある香りを重ねたという。梅酒蔵がウイスキーを手がける必然性を、そのまま風味に翻訳した設計といえる。
水の都・水戸のテロワールを追う
蒸留所が立つ水戸は、那珂川と千波湖に囲まれ、マグネシウムを豊富に含む地下水に恵まれた土地だ。高藏蒸留所は水や大麦だけでなく酵母の研究開発にも力を入れ、約4年をかけた独自ウイスキー酵母「T310」を2026年の仕込みから使用し始めている。さらに、茨城県に生まれた大規模フロアモルティング工場を支援し、県産ピート麦芽を使った「ローカルバレイ構想」も進行中で、地元の風土をより濃く映したシリーズを今後展開する予定だという。
発売は2026年10月16日。カスクストレングスは500本と少なく、初回リリースゆえに市場に出回る数も限られる。梅酒樽という独自路線に関心があれば、10月中旬の抽選・予約情報を早めに確認しておきたい。