島根県・隠岐諸島の海士町(あまちょう)に、ウイスキーとジンを手がける新しい蒸留所「Distillery Drift Mark」が6月13日にグランドオープンした。運営するのはAMA Whiskey&Co.。日本海に浮かぶ離島という限られた環境の中で、隠岐ならではの気候や水、地域資源を生かした蒸留酒づくりに挑む新拠点として注目を集めている。
離島の風土をボトルに込める挑戦
近年、国内各地では中小規模の新設蒸留所が相次いで立ち上がり、地域の産業振興や観光資源としても期待が寄せられている。Distillery Drift Markもその流れに連なる一つだが、隠岐諸島という離島の立地は、原料の輸送や設備の維持といった面では決して有利とはいえない。それでもあえて島に蒸留所を構える背景には、島でしか得られない気候・水・空気感を原酒に映し込みたいという狙いがあるとみられる。
ウイスキーは仕込みから瓶詰めまで長い熟成期間を必要とする酒で、蒸留を始めてから実際にボトルとして世に出るまでには数年単位の時間がかかる。今回のグランドオープンは、いわばその出発点にあたる節目といえる。隠岐の潮風や水が育む原酒が数年後にどのような個性を帯びて登場するのか、離島発の新しい蒸留所の今後の歩みに注目が集まりそうだ。
国内のジャパニーズウイスキー人気の高まりを背景に、大手だけでなく小規模な新規蒸留所の開業が全国各地で相次いでいる。人口の少ない離島での開業は輸送コストや人材確保の面でハードルが高い一方、大量生産では真似のできない少量生産・高付加価値のものづくりと相性が良いとも言われる。Distillery Drift Markが今後どのような原酒・製品ラインナップを打ち出していくのか、続報が待たれる。
出典: 山陽新聞